【書評】『天皇の国史』竹田恒泰著を読んで――日本の“芯”に触れる歴史読書
はじめに:天皇を学ぶということ
日本の歴史に興味を持ち始めてから、神社を巡ったり古本屋で幕末の資料を探したりと、ささやかな“歴史散歩”を楽しんできました。そんな中、ある日ふと本屋で目に留まったのが、竹田恒泰さんの『天皇の国史』でした。
「天皇って、学校で習ったけど実はよく知らないな」――そんな思いが頭をよぎり、手に取ったのがきっかけでした。そして、読み進めるうちに、「これは、日本人として知っておかなければならないことだった」と深く感じました。
『天皇の国史』とはどんな本か?
本書は、明治天皇の玄孫(やしゃご)でもある竹田恒泰氏が、天皇という存在を軸に日本の歴史を描き出した一冊です。
最初は「難しいのでは?」と思っていましたが、これが意外と読みやすい。神話から始まり、令和の現代に至るまで、天皇の役割や変遷を、日本人の精神性や社会のあり方と絡めて解説しています。
文章は論理的でありながらも、著者自身の視点がしっかり入っていて、読み物としても面白い。特に、日本がなぜ「万世一系」にこだわってきたのか、その意味を知るくだりにはグッときました。
読んで感じたこと――「日本の歴史の芯」を実感
これまで断片的にしか理解していなかった「天皇」という存在が、実は日本という国の“芯”であったことを、この本を通じて強く実感しました。
例えば、戦国時代でも幕府の時代でも、天皇の存在が完全に消えることはなかった。日本は武力で王朝が交代するような国ではなく、“形を保ち続ける”ことを重んじてきた。そこに、日本人らしい価値観があるのだなと、腑に落ちました。
また、最近のニュースなどで「象徴天皇」という言葉を耳にすることがあっても、実際にその意味や成り立ちを理解している人は多くないはずです。私自身、本書を読んで「なるほど、こういう歴史的背景があるのか」と、初めて納得できたことが多々ありました。
天皇を知ることは、自分を知ることに通じる
大げさではなく、「自分が日本人である理由」を改めて考えさせられました。
私は歴史好きとして神社に行ったり、美術展で古代の書を見るのが好きですが、それらも天皇という存在を抜きに語れないのです。伊勢神宮にしても、即位の大嘗祭(だいじょうさい)にしても、その奥には「連綿と続く物語」がある。
つまり、天皇を知ることは、日本人としての自分を知る一歩にもなる。これは、年齢を重ねた今だからこそ、深く響いた部分です。
こんな方におすすめです
- 日本の歴史を学び直したい中高年の方
- 子どもに「日本ってどういう国?」と聞かれて答えに詰まった経験のある方
- 神社や寺が好きな方
- 天皇制に興味があるけど、専門的な書籍はハードルが高いと感じている方
特に、教養として「天皇とは何か」を知っておきたい方には、ぴったりです。
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今こそ読みたい、国の歴史の物語
正直、この年になるまで「天皇」について深く考えたことはありませんでした。でも、この本を読んでからは、ニュースで陛下のお姿を見るたびに、背景にある歴史を自然と想像するようになりました。
天皇を知ることは、単に“昔の話”ではなく、今の日本、そして私たち自身を知ることにつながる――そんなことを実感できた一冊です。
歴史に興味がある方も、これから興味を持ちたい方も、一度読んでみてはいかがでしょうか。少し大げさかもしれませんが、自分の中で“日本の見方”が変わるかもしれませんよ。