以下は、個人の視点で、英ポンド/スイスフラン(GBP/CHF)ペアについて、2025年11月22日時点における「長期(数年スパン)」「中期(数~12カ月)目線での見通し」を、私なりに整理してみました。
あくまで参考としてお読みください(為替は多くの変数で動きますので、確実な結果を保証するものではありません)。
目次
現状のおさらい
まずは現状を押さえておきます。
- GBP/CHF は、2025年11月22日時点で概ね「1.05~1.06 フラン」あたりで推移しています。 (Investing.com)
- 今年(2025年)の高値は約 1.1503 フラン、安値は約 1.0363 フランとなっています。 (Pound Sterling Live)
- 最近の分析として、ポンドに対して弱気な見方が出ており、スイスフランが比較的堅調、ポンドが下押しされているという指摘があります。 (lameracapital.com
) - また、テクニカルな観点からは「1.05 フラン付近」がサポートとして注目されており、反発の余地もあるが、上値の重さ(抵抗)もあるという見方が出ています。 (DailyForex)
このような状況をふまえて、「中期」「長期」それぞれの見通しを考えてみます。
中期(おおよそ今から6〜12カ月)での見通し
ポンド側の課題
- 英国経済・ポンドには逆風が出ています。例えば、予算(Budget)を控えた財政・政策面での不透明感、賃金・雇用の伸び悩みなどが挙げられています。 (lameracapital.com)
- 金利面でも、イングランド銀行(BoE)が利下げを検討しているという観測があり、金利差縮小=通貨の相対魅力低下という見方があります。 (Reuters)
→ つまり、ポンド側には中期的に押される理由が複数あると判断できます。
スイスフラン側の背景
- スイスフラン(CHF)は安全資産としての特性が強く、市場がリスク回避的になったときには支持されやすい通貨です。加えて、スイス国立銀行(SNB)が為替介入を含めてフラン高を抑える姿勢を長く取ってきたものの、現在は比較的フランの強さを許容しているとの分析があります。 (lameracapital.com)
→ このあたりが「ポンド弱+フラン強」の構図を作りやすい状況と言えます。
テクニカル/水準面
- 現在「1.05 フラン付近」がサポートとして注目されているものの、反転上昇を示すには「約1.065 フラン」あたりを上に抜けることが鍵との見方があります。 (DailyForex)
→ つまり、中期的には「1.05 ~ 1.065 フラン」のレンジで揉み合う可能性が高いと考えられます。
私の中期見通し
以上を踏まると、今後6〜12ヶ月間では次のようなシナリオが現実的です。
- ベースシナリオ:GBP/CHF が「1.05 フラン前後での下支え → 反発試みるも抵抗で頭打ち」というパターン。具体的には1.04~1.07あたりのレンジ。
- リスクシナリオ(ポンドがさらに弱く、フランがさらに買われる場合):「1.04 フラン割れ」も視野。
- ポジティブシナリオ(ポンドが予想外に回復、フランが調整する場合):「1.08~1.10 フラン台」への上昇も一応可能。ただしハードル高め。
私としては、控えめに「レンジ1.04~1.07フラン、その中で1.05を下支えラインとして反発トライ」という見方が適切だと思います。
長期(数年スパン/2〜5年程度)での見通し
長期の構造的ポイント
- 通貨ペアという観点から見ると、ポンドは上述の通り国内景気・金利・政策不透明感というマイナス要因を抱えています。
- 一方、フランは安全通貨としての立ち位置、スイスの財政・金融の安定性という構造メリットがあります。
- ただし、長期では「繰り返しリスク回避」が問題になるため、必ずしもフラン一強というわけでもなく、スイス経済自身の輸出依存・欧州景気との連関性などのリスクもあります。
予測の参考値
- あるサイトの長期予測では、GBP/CHF が「2025年末あたりで約1.04フラン」「2026年で若干上振れして1.07フラン程度」といった数値が紹介されています。 (Traders Union)
- ただし、それ以降「2027年~2030年」にかけては、1.0フランを大きく下回る可能性(ポンド弱・フラン強継続)を指す予測もあります。 (Traders Union)
私の長期見通し
長期目線では、次のように考えています。
- ベースシナリオ:GBP/CHF は「1.00~1.10フラン」の間でゆるやかな振れ幅を保ちながら、ポンドの強化材料(例えば英国経済の立て直し、ポンド金利の上昇)とフランの調整(スイスにとって過度のフラン高が輸出を圧迫)との綱引きを辿る。つまり、数年かけて1.00フラン前後が心理的な分岐点になる可能性あり。
- リスクシナリオ(ポンドが更に弱く、フラン強&リスク回避の流れが長期化):1.00フランを下抜け、「0.90~0.95フラン」あたりに向かう展開も想定。
- ポジティブシナリオ(ポンドが再び強化/英国が好調になり、フランが割高修正される):1.10~1.15フラン程度に上昇する可能性も。ただしそのためには英国の景気回復+政策正常化がかなり進む必要があります。
私の感覚では、「長期的には1.00フランを大きなターニングポイントと捉えつつ、1.00~1.10フランレンジが最も確からしい。1.00を割るかどうかはポンドの復活次第」というのが現実的です。
注意点と私からのアドバイス
- 為替相場は政策金利、マクロ経済指標、地政学リスク、投資家心理(リスクオン/オフ)など多くの変数で動くため、今回の見通しも状況によって大きく変わる可能性があります。
- 上記はいずれも「過去・現在の状況を踏まえて」の私見であって、将来を保証するものではありません。特に参考にされる場合は、複数の情報源・専門家見解をあわせてご判断ください。
- 為替取引・投資を検討される方は、レバレッジ、為替変動リスク、政策変更・突発イベント(例:英国政策・スイス金融政策)への備えが必要です。
- 私の趣味として「地理・地学」「歴史」「サッカー観戦」などがありますが、為替の話ではこれら趣味とは少し離れます。ただ、歴史を振り返ると「通貨も国の構造・政策・外部環境の影響を大きく受ける」という点で、ある意味“歴史を繰り返す”と感じています。
終わりに
今回、「GBP/CHF(英ポンド/スイスフラン)」について中期・長期目線で整理しました。
私自身、サッカー観戦で熱くなって応援することが多いのですが、通貨ペアの見通しを書くときも同じく「じっくり地形(=チャート・政策・経済構造)を読みながら、荒天(=リスク要因)にも備える」気持ちで書いています。