もしも鬼界カルデラが噴火したら? 〜南九州に眠る“超巨大火山”の正体〜
鬼界カルデラとは何か?
鹿児島県の南方、屋久島と種子島の沖合に広がる鬼界カルデラは、約7,300年前に“縄文人を壊滅させた”とも言われる破局的噴火を起こした場所です。
これは「鬼界アカホヤ噴火」と呼ばれ、当時の南九州全域に壊滅的な被害を与えたとされています。
このカルデラは、直径20km以上に及ぶ海底火山で、現在でも火山活動の兆候が観測されています。
とくに近年注目されているのが、その中心にある「鬼界中央ドーム(マグマドーム)」の存在です。
ここには大量のマグマが溜まっているとされ、専門家の間では「再び破局噴火を起こす可能性がある」と警戒されています。
もし噴火したら何が起きるのか?
鬼界カルデラが再び破局的噴火を起こした場合、その影響は日本全土に及ぶ規模になると予測されています。
● 直接的な影響(九州地方)
- 火砕流が南九州に到達:最悪の場合、鹿児島や宮崎に甚大な被害
- 降灰:福岡〜大阪、東京に至るまで大規模な降灰が予想される
- 航空機の運航停止:火山灰により国内外の空港が一時閉鎖される可能性
● 間接的な影響(全国・世界)
- 農作物への影響:降灰による農業の停滞
- 電力・通信障害:火山灰が設備に影響を及ぼす
- 気候変動:大規模な噴煙が成層圏に達すれば、**一時的な寒冷化(火山の冬)**が起こる恐れも
このように、もし噴火が起きた場合は、日本のみならず世界的な影響を及ぼす「破局噴火」となる可能性があるのです。
トカラ列島との関連性と「阿曽山大噴火」の可能性
● トカラ列島の地震と鬼界カルデラ
近年、トカラ列島近海で地震活動が活発化しています。
2021年には短期間に200回以上の群発地震が観測され、専門家の間で鬼界カルデラとの関連性が議論されるようになりました。
これは、海底のプレートやマグマの動きが影響している可能性があり、地震活動はマグマの移動の“前兆”である場合もあります。
ただし現時点では、直接的な因果関係は確認されておらず、断定はできません。
● 阿蘇山との関連:「阿蘇山大噴火」は起こりうるか?
「鬼界カルデラ」と並んで九州に存在する阿蘇カルデラ(阿蘇山)もまた、過去に巨大噴火を繰り返してきた活火山です。
中でも「阿蘇4噴火」は約9万年前に起こったとされ、これは「日本列島史上最大級」と言われます。
現在の科学的知見では、鬼界カルデラと阿蘇山の噴火が連動する可能性は低いとされています。
ただし、どちらの火山も“地下深くではつながっている”という説もあり、火山フロントの活動域が連鎖反応を起こすリスクはゼロとは言えません。
私たちにできる備えとは
鬼界カルデラのような巨大火山は、ふだん目には見えなくても、確実に“生きている地球の一部”です。
そして私たちは、その上に暮らしているという事実を忘れてはなりません。
● 備えるべきポイント
- 災害時の備蓄(水・食料・防塵マスクなど)
- 防災情報アプリの導入:たとえば「特務機関NERV防災」アプリは非常に信頼性が高く、通知も早いです。
- Jアラートや地震速報に常に注意を払う
地震や噴火は、誰にとっても他人事ではありません。まずは情報を集めることから始めてみましょう。
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最後に…
個人的には、学生時代に読んだ火山地質学の本がきっかけで、鬼界カルデラという存在を知りました。
あれから何十年も経ちましたが、いまこうして注目されるようになるとは思いもしませんでした。
自然は美しく、そしてときに恐ろしい。その両面を知ってこそ、私たちは生き抜く知恵を持てるのだと思います。
興味を持たれた方は、防災だけでなく日本の火山の歴史や地形の成り立ちにも触れてみると、もっと深く知ることができますよ。