『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』感想レビュー|静かな冬に寄り添う、心温まる物語
今回ご紹介するのは、Amazonプライム・ビデオで視聴できる『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』。
派手な展開はありませんが、じんわり心に沁みる…そんな作品です。
冬に置いてけぼりになった人たち
舞台は1970年代のアメリカ東海岸にある名門寄宿学校。クリスマス休暇、ほとんどの生徒は家族の元へ帰りますが、さまざまな事情で残らざるを得ない者たちがいます。その面倒をみるのは、厳格で皮肉屋の歴史教師ハナムさん。さらに、学校の料理人メアリー、そして家庭に事情を抱えた問題児アンガスが加わり、奇妙な“置いてけぼり組”の冬休みが始まります。
不器用な3人の交流
この映画の魅力は、大事件も奇跡も起きないところ。豪華なパーティーもなければ、派手なラブストーリーもありません。ただ雪が降り積もる静かな冬の中、3人が少しずつ心を開き、お互いの孤独や傷に気づいていく…。言葉少ななやり取りの奥に、確かな温かさがあります。
個人的には、歴史教師ハナムの頑固さの裏に隠された人間らしさや、メアリーの包容力、そしてアンガスの少年らしい不安定さが絶妙に絡み合っていて、観ているうちに自分の学生時代や家族のことを思い出しました。
心に残る静かな感動
正直、最初は「地味だな…」と思いました。でも見終わる頃には、胸の奥にぽっと灯りがともったような感覚が残ります。大声で泣くような感動ではなく、冬の夜空に小さな星を見つけたときのような、静かで確かな幸福感です。
特に印象的だったのは、終盤の別れのシーン。言葉は多くありませんが、その沈黙の中にお互いへの敬意や愛情が詰まっていて、しばらく余韻が抜けませんでした。
まとめ
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』は、慌ただしい毎日から一歩離れて、自分や大切な人との関係を見つめ直すきっかけになる映画です。地味だけれど、確かな温かさを持った作品。冬の夜、静かに心を温めたい方におすすめします。
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